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細胞生物学:サイクリンD1–Cdk4は細胞周期進行とは無関係にグルコース代謝を制御する

Nature 510, 7506 doi: 10.1038/nature13267

インスリンはグルコースの恒常性を維持するための進化的に保存された主要なホルモン軸を構成しており、この軸の制御の異常は糖尿病の原因となる。PGC-1α(peroxisome-proliferator-activated receptor-γ coactivator-1α)は、インスリンシグナル伝達とグルコースおよび脂質代謝に関連する遺伝子の発現を結び付ける。ヒストンアセチルトランスフェラーゼGCN5(general control non-repressed protein 5)は、PGC-1αをアセチル化してその転写活性を抑制するが、サーチュイン1はPGC-1αを脱アセチル化して活性化する。インスリンは増殖性細胞では分裂促進シグナルとして働くが、細胞周期装置の構成因子がその代謝作用に関わっているのかどうかはほとんど分かっていない。本研究では、マウスでインスリンはサイクリンD1–Cdk4(cyclin-dependent kinase 4)を活性化し、次にそれがGCN5のアセチルトランスフェラーゼ活性を上昇させ、細胞周期の進行とは無関係に肝臓でのグルコース産生を抑制することを報告する。細胞を用いたハイスループットの化合物スクリーニングにより、PGC-1αのアセチル化を強力に減少させるCdk4阻害剤が明らかになった。インスリン/GSK-3β(glycogen synthase kinase 3-beta)シグナル伝達は、サイクリンD1を核に移行させることで、サイクリンD1タンパク質の安定化を誘導する。それと平行して、食餌性アミノ酸は肝臓のサイクリンD1のメッセンジャーRNA転写産物を増加させる。活性化されたサイクリンD1–Cdk4キナーゼは、GCN5をリン酸化して活性化させ、GCN5はPGC-1αをアセチル化して糖新生遺伝子への作用を抑制する。肝臓のサイクリンD1を欠失させると、糖新生が増加して高血糖になる。糖尿病モデルではサイクリンD1–Cdk4は、絶食/摂食という条件変化に影響されることなく慢性的に上昇しており、それでもこのキナーゼをさらに活性化すると、血糖が正常になる。今回の結果は、インスリンが分裂終了後の細胞で細胞周期装置の構成因子を用い、細胞分裂とは関係なくグルコース恒常性を制御することを示している。

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