Letter
生態学:温暖化条件下でのCO2濃度上昇は植物の生育期をさらに延長させる
Nature 510, 7504 doi: 10.1038/nature13207
温帯から極地までの地域で植物成長の早期化による生育期の延長が観察されていることは、気候温暖化に対する応答の1つだと考えられてきた。しかし、加温操作実験の研究データからは、葉の成長と開花の開始が早期化する種の多くでは、種子の成熟や老化状態への到達も早まり、活動期および生殖期が短縮することが示されている。この見かけ上の矛盾を説明する概念モデルや、CO2濃度の上昇(生活年周期事象を遅延させる場合がある)が生育期の長さの変化に与える影響の分析は、これまで検証されていない。本研究では、温帯草原での加温操作実験が、最初に出葉する種(多くはイネ科草本)による出葉の早期化と、最後に老化する他の種による不変な老化または老化の遅延を通じて、生育期の延長を招くことを明らかにして、前述の概念モデルを裏付ける。CO2濃度の上昇は、水分を保持することで、温暖化した草原の生育期をさらに延長させ、それによって多くの種で活動期がより長く維持されたが、生殖期を延長させることはなかった。今回の結果は、生育期の延長、中でも水が制限要因となっている年またはバイオームでの生育期の延長の原因は温暖化のみではなく、植物の生活年周期の活動期を延長させる大気中CO2濃度上昇も一因となっていることを示唆している。

