Letter
神経科学:連合学習の際の嗅内皮質–海馬間の集団ニューロン活動の協調
Nature 510, 7503 doi: 10.1038/nature13162
分散型脳回路内の機能的に特化したニューロン同士の相互作用を仲介する機構として皮質振動を示す証拠が集まりつつある。こうした相互作用を利用している可能性のある脳機能の1つに宣言的記憶(エピソードや事実のように、意識的に想起が可能な記憶)がある。宣言的記憶は、海馬と新皮質とをつなぐ嗅内皮質の回路によって可能になる。宣言的記憶の記銘と検索の際には、嗅内皮質と海馬の回路がシータ振動とガンマ振動を介して相互作用すると考えられており、これらは、覚醒状態の齧歯類の両領域で記録される振動スペクトルの主成分である。この考えを支持するように、よく訓練されたラットでは、定常状態下の嗅内皮質と海馬間で、シータ波とガンマ波の結合が観察されている。しかし、領域間の結合と記憶形成との関係は、まだよく分かっていない。今回、連合学習の連続した各段階で多点記録を行い、直接結合している嗅内皮質と海馬の回路の間の発火パターンのコヒーレンスが、嗅覚手がかりを使って進路を決める行動を学習中のラットで、学習とともに発達すること、およびこのようなコヒーレンスが各領域での独特な試行結果のための集団表現の発達と常に結び付いていることが分かった。嗅内皮質と海馬の結合は、海馬CA1の遠位部および嗅内皮質の外側部(これらは海馬への嗅覚入力を主に受ける亜領域)の間で、20~40 Hzの振動数帯域に特異的に観察された。全体として、これらの結果から、においと場所の連合記憶の記銘時と検索時に、離れた神経回路間で発達する表現を同調させる機構は、20~40 Hzの振動だと考えられる。

