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微生物生態学:細菌の系統発生学的特性が、さまざまな生息域にわたる土壌のレジストームを形作っている

Nature 509, 7502 doi: 10.1038/nature13377

土壌からはこれまでに、古代の多様な抗生物質耐性遺伝子(ARG)が見つかっており、その中にはヒトの病原体が持つARGと同じものも含まれている。土壌のレジストーム(resistome;微生物における抗生物質耐性遺伝子の総体)と臨床のレジストームとの間には一見すると重複があるにもかかわらず、土壌中のARG構成や、ゲノムと生息環境の間でのARGの移動に影響を及ぼす要因については、まだほとんど解明されていない。一般的なメタゲノム機能は、それを構成する細菌群集の構造と相関することが多いが、ARGは非常に移動しやすいと考えられていることから、レジストームは系統発生学的シグネチャーや生態的区分とは関連しないのではないかと推測されている。これらの関係性を調べるため、我々は18か所の農地や草原の土壌を対象に、18種類の抗生物質に対する耐性の機能的メタゲノミクス選別法を実施した。見つかった2,895個のARGは大半が新規なARGで、主要な耐性機構が全て揃っていた。土壌のタイプが異なるとレジストームも異なることや、窒素肥料の施肥が土壌のARG含量に強く影響することが明らかになった。また、さまざまな土壌のタイプにわたって見ても、1つの土壌タイプだけを見ても、レジストームの構成は微生物の系統発生学的構造や分類学的構造と相関していた。このような強い相関性と一致して、土壌中には、ARGとシンテニーの関係にある可動性エレメント(細菌間の遺伝子の水平伝播に関わるトランスポザーゼやインテグラーゼなどの遺伝子)が塩基配列が解読済みの病原体に比べて非常に少ないことから、ARGは土壌細菌間ではヒト病原体間で見られるほど簡単に水平伝播を起こさない可能性が考えられる。総合すると、これらの結果は、土壌ARGの内容を決定する主要な要因が細菌群集の構成であることを示しており、遺伝子の水平伝播がレジストームと系統発生学的特性を実質的に切り離しているとするこれまでの仮説に疑問を投げかけるものだ。

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