気候科学:全球炭素循環の年々変動に対する半乾燥生態系の寄与
Nature 509, 7502 doi: 10.1038/nature13376
陸域と海洋は、化石燃料放出のシンクとして働き、大気中二酸化炭素濃度の上昇を遅らせている。現在まで、海洋と陸域の過程による炭素の取り込みは、加速的な二酸化炭素放出に合わせて増えているが、大気中二酸化炭素濃度は年々の時間スケールで大きな変動を示し、熱帯雨林が支配的な陸域生態系の過程によって主に駆動されていると考えられている。我々は、陸域の生物地球化学モデル、大気中二酸化炭素に対する逆転法、全球的炭素収支の計算法を用いて、過去30年間の陸域炭素シンクの変化を調べている。この際、2011年に報告された極めて大きな陸域炭素シンクに関与した基礎的な機構に重点を置いた。本論文では、我々の3つの陸上炭素シンク推定値がよく一致しており、2011年の記録的な陸上炭素シンクの発見を裏付けていることを示す。意外なことに、全球炭素シンクの偏差を生じさせたのは、南半球の半乾燥植生の拡大であったことが分かった。その炭素取り込み量のほぼ60%はオーストラリアの生態系によるものであり、ラニーニャが支配的な気候条件によって6季連続して降水量が増加していた。さらに、1981年以降、オーストラリアの植被が6%拡大しており、これは降水量に対する大陸の正味の炭素取り込みの感度が4倍に高まったことと関連していた。今回の知見は、半乾燥バイオームの炭素プールの高い回転速度が、全球炭素循環の年々変動の駆動力としてますます重要になっており、今後は熱帯雨林の駆動力としての重要性が小さくなっていく可能性があることを示唆している。降水量の多い年に蓄積される炭素貯蔵が、後年の火事による急速な分解や焼失に対してどの程度脆弱であるかを明らかにするには、さらなる研究が必要である。

