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発生生物学:雌特異的な単一のpiRNAがカイコにおける性決定の最上位因子である

Nature 509, 7502 doi: 10.1038/nature13315

カイコガ(Bombyx mori)は、WZ型の性決定系を用いているが、これは鳥類や一部の爬虫類でも見られるものである。この系では、雄は2本のZ染色体を持ち、雌はZ染色体とW染色体を1本ずつ持つ。カイコのW染色体は雌性を決定する能力を持つことから、雌化遺伝子はこの染色体に存在すると考えられる。しかし、W染色体はほぼ完全に転移因子の配列によって占められており、機能タンパク質をコードする遺伝子は、これまでのところ見つかっていない。雌で多く作り出されるpiRNA(PIWI-interacting RNA)群が、W染色体の性決定領域から作り出される転写産物として唯一知られているが、これらのpiRNAの機能については分かっていない。本研究では、W染色体由来の雌特異的piRNAの1つが、カイコの雌化因子であることを示す。このpiRNAは、我々がFemと命名したpiRNA前駆体から産生される。Femは、W染色体の性決定領域にタンデムに配置されていた。雌の胚でFemに由来するpiRNAを介したシグナル伝達を阻害すると、性決定カスケードの下流末端で働く遺伝子であるカイコガdoublesexBmdsx)の雄特異的なスプライシングバリアントの産生につながる。また我々は、カイコガのZ染色体でFem piRNAが標的とする遺伝子を同定した。この遺伝子はCCCHタイプのジンクフィンガータンパク質をコードしており、我々はMascと命名した。我々は、Fem piRNAによるMascのメッセンジャーRNAのサイレンシングが、雌の胚でBmdsxの雌特異的なアイソフォームを産生するために必要であること、およびMascタンパク質が雄胚での遺伝子量補正と雄化を制御することを示す。我々の研究は、WZ型の性決定系で性決定カスケードの最上位を担う単一の小分子RNAの性状を明らかにするものである。

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