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がん:銅は発がん性BRAFシグナル伝達および腫瘍形成に必要である

Nature 509, 7501 doi: 10.1038/nature13180

キナーゼであるBRAFの変異は、黒色腫や甲状腺がん、毛様細胞性白血病の大部分と、それらより率は低いが他のさまざまながんで活発な発がん状態を引き起こし、その典型的な変異がVal 600→Glu (V600E)である。BRAFV600Eは、キナーゼのMEK1やMEK2をリン酸化して活性化し、それらが次にキナーゼのERK1およびERK2をリン酸化して活性化することで、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路を刺激し、がんを促進する。MEK1/2阻害剤は転移性黒色腫で生存率を改善し、この作用はBRAFV600E阻害剤との併用投与で増強されることから、MEK1/2の標的化が重要な治療戦略になることが実証されつつある。我々は以前に、銅(Cu)の流入が、Cu–MEK1相互作用を介して、MEK1によるERK1/2のリン酸化を増強することを見いだした。本論文では、マウスおよびヒトの細胞系で、CTR1(Cu transporter 1)のレベル低下、あるいはCuの結合を妨害するようなMEK1変異が、BRAFV600Eの駆動するシグナル伝達や腫瘍形成を減弱させることを示す。逆に、Cuとは独立にERK1/2をリン酸化するMEK1–MEK5キメラ、あるいは活性なERK2は、Ctr1を欠損するマウス細胞の腫瘍性増殖を復活させた。ウィルソン病治療に使われるCuキレート剤は、BRAFV600Eによって形質転換した、あるいはBRAF阻害に抵抗性を持つように操作したヒト細胞やマウス細胞の腫瘍性増殖を減弱させた。総合すると、これらの結果は、Cuキレート療法がBRAFV600E変異を持つがんの治療に転用できる可能性を示している。

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