Review
医学:炎症の際に起こるヌクレオチドシグナル伝達
Nature 509, 7500 doi: 10.1038/nature13085
炎症状態は、ヌクレオチドの細胞外への放出、特にATPの放出と関連している。細胞外区画では、ATPは主にプリン作動性P2受容体の活性化を介してシグナル伝達分子として機能する。代謝型P2Y受容体はGタンパク質共役型であり、イオンチャネル型P2X受容体の方はATP依存性イオンチャネルである。本研究では、P2受容体を介するシグナル伝達事象が、炎症性あるいは感染性疾患の転帰を変化させる仕組みについて論じる。最近の研究では、病原体の侵入や腫瘍に対して、宿主防御に重要な適切な炎症反応を開始するのに、P2X/P2Yシグナル伝達が役割を担うことが示されている。また逆に、P2X/P2Yシグナル伝達は虚血・再灌流障害、炎症性腸疾患、また肺の急性あるいは慢性疾患の際に慢性炎症を促進することもある。ヌクレオチドシグナル伝達は、すでに患者で臨床的に使われているが、炎症性あるいは感染性疾患の治療のために個々のP2受容体を特異的に標的とするケースが増える可能性が研究で示されている。

