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構造生物学:フィトクロムの光センサーにおけるシグナル増幅と伝達
Nature 509, 7499 doi: 10.1038/nature13310
センサータンパク質は、センシング部位から調節性出力ドメインまで長い距離にわたって構造シグナルを中継しなくてはならない。フィトクロムは、赤色光感知キナーゼの主要なファミリーであり、植物、細菌、真菌でさまざまな細胞機能を制御している。細菌のフィトクロムは、光センシング部位とカルボキシ末端の調節ドメインからなる。光センシング部位の静止状態での構造は報告されており、光活性化に応答するコンホメーション変化は発色団近傍で起こると考えられてきた。だが、シグナル伝達状態の構造や光センシング部位を介して起こる下流のシグナル中継の機構は分かっていない。今回我々は、極限環境微生物であるDeinococcus radiodurans由来の細菌フィトクロム光センシング部位の静止状態および活性状態の結晶構造と溶液構造を報告する。これらの構造から、二量体タンパク質であるフィトクロムが活性状態では開放型、静止状態では閉鎖型をとることが示された。このナノメートルスケールの構造再編成は、発色団と接する進化的に保存された「舌」構造の折りたたみ直しによって制御される。以上の結果から、発色団周囲の原子スケールのコンホメーション変化がまず「舌」構造でのオングストロームスケールの距離の変化に増幅され、さらにナノメートルスケールのコンホメーションシグナルにまで増大するという珍しい機構が明らかになった。構造が関わるこの機構は、フィトクロムが細胞のシグナル伝達ネットワークにつながる仕組みを理解するための青写真となる。

