Letter

材料科学:古典的なせん断亀裂が乾燥摩擦運動の開始を駆動する

Nature 509, 7499 doi: 10.1038/nature13202

摩擦過程には、摩擦界面を定義する離散的な接触面の集合体の破断が伴う。乾燥摩擦運動の開始の最適な記述方法については、単一の自由度つまり「摩擦係数」を使った摩擦のモデリングから、界面に沿った空間的ダイナミクスや時間的ダイナミクスを説明する動的破壊を用いた理論的扱いまで、さまざまな考えがある。我々は、脆性ポリマーブロックで形成した、乾燥した(名目上平坦な)粗い界面内を伝搬する破断先端部を囲む領域の、実際の接触面積とひずみ場の同時高速測定を行って、この乾燥摩擦運動の開始を調べた。本論文では、せん断亀裂の高速運動に対する古典的な特異解によって、静摩擦から動摩擦への遷移が定量的に記述されることを示す。こうした特異解は、元来脆性破壊を記述するため導かれたもので、低速度伝搬に対しては実験と極めてよく一致するが、破断速度がレイリー波速度に近づくと、大きな相違点がいくつか生じることが分かった。さらに、接触面が破壊して散逸するエネルギーは、破断速度がレイリー波速度より小さい全領域においてはほぼ一定のままであるが、破断速度がレイリー波速度に近づくと、散逸領域の大きさはローレンツ型の収縮を起こす。こうした摩擦と破壊の関係は、摩擦運動や、地震力学などの関連する過程を基本的に理解する上で重要である。

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