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がん:食道扁平上皮がんにおけるゲノム変化の同定

Nature 509, 7498 doi: 10.1038/nature13176

食道がんは最も進行の急速ながんの1つであり、世界におけるがんによる死亡の原因としては6番目に多い。世界中の食道がん症例の約70%は中国で見られ、病理組織学的な分類では、その症例の大部分(90%以上)を食道扁平上皮がん(ESCC)が占めている。現在のところ、臨床におけるESCCの初期の診断と治療の手法は限られているために、患者の5年生存率は10%にとどまっている。しかし、ESCCの原因となるゲノム変化の全てが分かっているわけではない。本研究では、国際がんゲノムコンソーシアムの研究プロジェクトの一環として行われた、158例のESCCの包括的なゲノム解析について報告する。我々は、17例のESCCについての全ゲノム塩基配列解読と、71例についての全エキソーム塩基配列解読を行い、そのうちの53例と、全ゲノムあるいは全エキソーム塩基配列解読を行っていない別の70例のESCCについて、アレイ比較ゲノムハイブリダイゼーション解析を行った。8つの有意に変異した遺伝子が明らかになり、そのうち6つはよく知られた腫瘍関連遺伝子(TP53、RB1、CDKN2A、PIK3CA、NOTCH1、NFE2L2)で、残りの2つ(ADAM29およびFAM135B)はこれまでにESCCでは報告のないものだった。特に、FAM135Bは、ESCC細胞の悪性度を高める能力が調べられたことにより新規のがん関連遺伝子であることが分かった。さらに、増幅された11q13.3-13.4領域にコードされるマイクロRNA MIR548Kも新規のがん遺伝子としての特徴を持つことが分かり、機能解析でMIR548KがESCCの悪性表現型を強めることが示された。また、複数の重要なヒストン調節因子[MLL2(別名KMT2D)、ASH1L、MLL3(KMT2C)、SETD1B、CREBBPおよびEP300]もESCCで頻繁に変化していた。パスウェイ評価では、体細胞変異は主にWnt、細胞周期そしてNotchパスウェイに関連していることが明らかになった。ゲノム解析では、ESCCと頭頸部扁平上皮がんには共通の発病機構がいくつかあり、ESCCの発生はアルコールの摂取と関連があることが示唆された。本研究は新規のバイオマーカーと腫瘍発生経路を明らかにしており、これらはESCCの治療戦略の向上に大いに役立つと考えられる。

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