Letter
磁気圏物理学:地球の自転で駆動される放射線帯内帯の「縞模様」
Nature 507, 7492 doi: 10.1038/nature13046
地球の放射線帯粒子の一見滑らかな分布の上にある構造的な特徴はこれまで、増強された太陽風だけから動力を供給された粒子加速や輸送機構と関連付けられていた。惑星の自転は木星や土星での粒子加速に対して重要だと考えられているものの、地球の自転によって内部磁気圏に作り出される電場は、捕獲した粒子の速度を毎秒1~2 km程度しか変えることができないため、毎秒10万km程度の速度を持つ放射線帯電子に対して自転はほとんど影響を与えないと考えられてきた。本論文では、地球放射線帯内帯の全空間領域にわたる高エネルギー電子の分布が、太陽風活動が低い時でさえも、規則的で明瞭に構造化された予想外の「縞模様」に組織化されていることを報告する。モデリングから、そのパターンが地球の自転によって作り出されていることが明らかになった。放射線帯電子は、双極磁場に似た地球磁場の中に捕獲され、そこで、磁場の勾配と曲率のため地球の周りを経度方向にゆっくりとしたドリフト運動をする。地球の自転によって、ドリフト周期が約24時間の電子と共鳴的に相互作用する電磁場の全球的な日変化が誘発され、エネルギー範囲の広い電子フラックスが、放射線帯内帯の全領域に広がる複数の縞模様からなる規則的なパターンへ変わる。

