Letter

化学:アミンの配座誘起遠隔メタ位C–H活性化

Nature 507, 7491 doi: 10.1038/nature12963

炭素–水素(C–H)官能基化反応において位置選択性を実現することは、有機化学における長年の課題である。どの有機分子においてもC–H結合の固有の反応性に違いがあまりないので、非選択的触媒によって、意図せぬC–H結合の活性化が起こり得る。この問題の解決策として、分子内の特定の官能基に対する相対的位置を基準にC–H結合を区別する方法がある。この関連で、官能基から5~6結合離れたC–H結合のシクロメタル化による活性化が広く研究されてきた。しかし、特にシクロメタル化時に起こる環ひずみのために対象となるC–H結合が幾何学的に配向性メタル化に至らない場合、官能基から6結合を超えて遠く離れたC–H結合の配向性活性化は依然として困難である。今回我々は、アニリンとベンジルアミンの11結合までの遠隔メタ位C–H結合のオレフィン化とアセトキシル化を導く再利用可能なテンプレートについて報告する。このテンプレートは、大きくひずんだ三環式シクロファン様パラジウム化中間体を経て二環式複素環のメタ位選択的なC–H官能基化を導くことができる。配位子を用いることで、テンプレートの単一フッ素置換によって誘起される配座の偏りが促進されて、オルソ位選択性からメタ位選択性へと切り替わることが、X線研究と核磁気共鳴研究によって明らかになっている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度