Letter

気候:北大西洋と熱帯大西洋がもたらす南極半島と海氷への影響

Nature 505, 7484 doi: 10.1038/nature12945

この数十年、南極大陸では著しい気候変動が起きている。南極半島が示す温暖化は、地球上の他のどの地域よりも強く、陸氷に急激な変化が生じている。さらに、北極における海氷の減少とは対照的に、南極の海氷は減少しておらず、その代わりに、理解しにくい再分配が起きた。南極の気候は、数ある要因の中でも、放射強制力の変化と遠く離れた太平洋域の気候変動の影響を受けるが、南半球の冬季における南極半島の温暖化の観測結果や海氷の再分配を説明できるものはない。しかし、北大西洋と熱帯大西洋において、海面水温変動の主要なモードである大西洋数十年規模振動は、こうした現象の研究に際して見過ごされてきた。今回我々は、大西洋数十年規模振動に関連する海面の温暖化が、アムンゼン海の海面気圧を低下させ、ロス海とアムンゼン・ベリングスハウゼン・ウェッデル海の間で観測された双極子に似た海氷の再分配と、南極半島の温暖化に寄与していることを示す。こうした知見は、観測データと再解析データの解析によって裏付けられるとともに、それとは独立に、包括的な大気モデルシミュレーションと理想化した大気モデルシミュレーションによっても裏付けられる。北大西洋と熱帯大西洋が、南極大陸における将来の気候変動の予測に重要であり、全球の熱塩循環と海水準変動に影響を及ぼす可能性があることが示唆される。

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