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神経科学:ホスホリパーゼD3遺伝子のまれなコーディング変異がアルツハイマー病のリスクとなる

Nature 505, 7484 doi: 10.1038/nature12825

全ゲノム関連解析(GWAS)によって、遅発性アルツハイマー病(LOAD)の複数のリスク変異が明らかにされている。こうしたよく見られる変異のLOADリスクに対する影響は、再現性はあるものの小さく、一般に明確な機能的影響は見られない。そこで、GWASで検出されない低頻度のコーディング変異に、リスクに対してより大きな影響を持つ機能的変異が含まれているのではないかと予測されている。LOADリスクへ大きな影響を持つ低頻度コーディング変異を明らかにするために、我々は14の大きなLOAD家系について全エキソーム塩基配列解読(WES)を行い、複数の大規模なLOAD症例–対照データセットにおける候補変異の追跡解析を行った。PLD3のまれな変異(ホスホリパーゼD3;Val232Met)が、2つの独立した家系で疾病状態とともに分離しており、ヨーロッパ系の子孫の症例と対照群、計11,000例以上を含む7つの独立した症例–対照シリーズで、アルツハイマー病のリスクを倍増させていた。ヨーロッパ系の子孫の4,387症例および対照群と、アフリカ系アメリカ人の302症例および対照群で、PLD3の完全塩基配列データを使って遺伝子に基づく負荷解析を行ったところ、この遺伝子の複数の変異が、両方の集団でアルツハイマー病のリスクを増加させていることが明らかになった。PLD3は、海馬や皮質などのアルツハイマー病の病理に影響を受けやすい脳領域で高発現し、アルツハイマー病の脳のニューロンでは、対照の脳に比べて発現量が有意に低かった。PLD3の過剰発現は、細胞内のアミロイドβ前駆タンパク質(APP)および、細胞外のAβ42とAβ40(アミロイドβペプチドのアミノ酸残基数が42と40のアイソフォーム)の著しい低下を引き起こし、PLD3のノックダウンは、細胞外のAβ42とAβ40の顕著な増加を引き起こす。以上のことから、我々の遺伝学と機能のデータは、PLD3コーディング変異の保有者では、LOADのリスクが2倍に上昇しており、PLD3はAPPのプロセシングに影響することを示している。本研究は、疾患などの複雑な形質に対するリスクに大きな影響を及ぼすまれな変異を明らかにするのに、遺伝子が高頻度で現れている家系を調べることがいかに役立つかを示している。

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