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鳥類の飛翔:トキ類の編隊飛行時に見られる、羽ばたきの位相制御による吹き上げ気流の利用と吹き下ろし気流の回避

Nature 505, 7483 doi: 10.1038/nature12939

群れが整然とした編隊を組んで移動する動物種は多い。編隊という形態の機能として最もよく言われるのは、群れを構成する各個体のエネルギー消費量の低減と運動性能の向上である。鳥の群れに見られる特徴的なV字型の隊形は古くから研究者の興味をかき立て、現在も科学的関心だけでなく一般の関心をも集めている。広く受け入れられている説明は、そうしたV字隊形を組むことで、他の鳥の斜め後ろを飛ぶ鳥が、前を飛ぶ鳥の翼が生じさせる吹き上げ気流領域を利用して、エネルギー上の利益を受けるというものだが、この隊形が空気力学的にどういう意味を持つかについては明確な説明がなされていない。今回我々は、V字型の群れとなって飛ぶホオアカトキ(Geronticus eremita)の各個体はそれぞれ、空気力学的に最適な位置を取っており、これらの位置関係が空気力学の理論的予測と一致することを示す。さらに、鳥はV字隊形内で飛行しているときに翼端経路を同調させ、空間的位相を合わせて羽ばたいており、それによって羽ばたき周期全体を通じて吹き上げ気流を最大限に捕捉できることも明らかになった。それとは対照的に、鳥が別の鳥の真後ろ(流れ方向の位置)を飛ぶ場合には、翼端経路の同調は認められず、翼の羽ばたきは空間的に逆位相となる。こうした逆位相は、後続の鳥が受ける吹き下ろし気流の悪影響を低減すると考えられる。そのような高度な技を実行するには複雑な飛行力学および感覚フィードバックが必要になるため、鳥がそうした空気力学的技量を持つとはこれまで考えられていなかった。V字隊形飛行に関与するこれらの複雑な機構は、鳥類が近くを飛ぶ群れの仲間が作り出す空間的後流構造を認識し、また、それを感知もしくは予測する優れた能力を持つことを示していると結論される。V字隊形で飛行する鳥は、羽ばたく翼が発生させる動的な後流に対処するための位相制御戦略を持っていると考えられる。

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