宇宙:ブラックホール伴星を持つBe型星
Nature 505, 7483 doi: 10.1038/nature12916
恒星程度の質量のブラックホールは全て、連星系を成す伴星からのガスの降着に起因するX線放射を通して発見されてきた(このガスは低質量星から引き剥がされるか、大質量星からの星風として供給される)。連星系の進化モデルは、急速に回転するBe型星(Be型星は、水素の特徴的なスペクトル輝線を示す、高温で青色の不規則変光星である)の赤道面の外層から降着を受けているブラックホールの存在も示唆する。しかし、銀河系内に確認されている約80個のBe型X線連星のうち、パルスを放射する中性子星のみが伴星として発見されている。ブラックホールは、Be型星MWC 656(HD 215227としても知られている)の伴星としての解であると正式に受け入れられているが、その結論は、Be型星から得られる単一の動径方向の速度曲線、間違ったスペクトル型の分類、傾斜角の粗い見積もりに基づいている。本論文では、MWC 656 の軌道を反映している降着円盤の輝線の観測について報告する。このことは、赤道面の円盤からの明瞭なFe IIのプロファイルのフィッティングを通して改良された動径方向の速度曲線、および正確なBe型星の分類(B1.5–B2 III型星)とともに、太陽質量の3.8~6.9倍の質量のブラックホールが、γ線源AGL J22411+4454の対応天体候補であるMWC 656 を軌道運動していることを示す。このブラックホールはX線で静穏であり、エディントン光度の1.6×10 −7倍未満の明るさをもたらしている、輻射的に非効率な降着流により駆動されている。これは、ブラックホールを伴星に持つBe型星を従来のX線探査で発見するのは難しいことを意味している。

