Article
細胞生物学:コヒーシンリングによるトポロジカルなDNA結合の生化学的再構成
Nature 505, 7483 doi: 10.1038/nature12867
染色体のコヒーシン複合体によりもたらされる姉妹染色分体間の接着は、有糸分裂における正確な染色体の分離に不可欠である。コヒーシンは、DNA修復や転写調節にも重要な役割を果たしている。コヒーシン複合体はリング状の構造を持ち、これが姉妹DNA鎖を取り囲むと考えられているが、その作用の分子機構はよく分かっておらず、コヒーシン活性のin vitroでの生化学的再構成もまだ達成されていない。今回我々は、分裂酵母から精製したコヒーシンとそのローダー複合体Mis4Scc2–Ssl3Scc4(本論文では、分裂酵母Schiozosaccharomyces pombeの遺伝子名を、より広く知られている出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeの対応遺伝子名に上付き文字を付して示している)を用いて、コヒーシンの DNAへの結合を再構成した。コヒーシンをDNAとインキュベートすると自発的にトポロジカルな結合が起こるが、これではまだ効率的ではない。ローダーは、今まで機能が不明だったPsc3Scc3サブユニットを含むリング外周の複数部位でコヒーシンと接触し、コヒーシンのATPアーゼを刺激する結果、効率の良いトポロジカルな結合が起こる。コヒーシンのDNAへの結合のin vitroでの再構成は、姉妹染色分体接着の初期段階およびコヒーシンにより媒介される他の染色体過程の機構に関する手がかりを与える。

