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免疫:マイコバクテリアは膜脂質を協調的に使うことでマクロファージ動員を操作する

Nature 505, 7482 doi: 10.1038/nature12799

ヒト結核の原因である結核菌(Mycobacterium tuberculosis)が進化的に存続しているのは、宿主に侵入して増殖し、感染を伝播させることができるからである。結核菌は、当初感染した遠位肺気道中の末梢感染部位でマクロファージに感染し、マクロファージがより深部の組織へと菌を運ぶ。マクロファージのような広範な殺菌能を持つ細胞中で結核菌が生き延びる仕組みは重大な問題である。本論文では、結核菌および近縁の病原菌である M. marinumが感染許容性のマクロファージを選択的に動員して感染する一方で、殺菌能のあるマクロファージを回避していることをマウスとゼブラフィッシュで明らかにする。この免疫回避は、結核菌の細胞表面に結合しているフチオセロール・ジマイコセロセレート(PDIM)という脂質を使って、内在する病原体関連分子パターン(PAMP)を隠すことによって行われる。PDIMが存在しない場合、このようなPAMPはシグナルを伝達し、殺菌性のある活性窒素種を産生するマクロファージのToll様受容体(TLR)に依存する動員を引き起こす。これと一致して、類縁のフェノール性糖脂質(PGL)は宿主のケモカイン受容体2(CCR2)が仲介する経路を介して感染許容性マクロファージ動員を増強する。従って、結核菌の病原性に重要であることが知られているPDIMと、CCR2と共にヒト結核に関連することが知られているPGLとが協調的に働いていることが明らかになった。また今回の知見は、結核菌は、常在細菌叢や吸引された環境由来の微生物がTLR依存的なシグナル伝達を介して殺菌能のあるマクロファージの動員を常時引き起こしていると考えられる上気道ではなく、下気道の比較的無菌的な環境で感染を開始するという、ずっと以前から認められている観察結果に対する説明となる可能性がある。

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