Letter
生物工学:大型褐藻類の糖類からの人工酵母系による効率的なエタノール生産
Nature 505, 7482 doi: 10.1038/nature12771
燃料および食糧生産のための天然資源需要は増大しつつあり、大型褐藻類のように効率的で持続可能な原料の利用を探ることが必要となっている。しかし、燃料用エタノールを商業規模で生産するための原料として大型褐藻類の能力を十分に引き出すには、標準的な工業用微生物である出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)のアルギン酸およびマンニトールの異化経路の大がかりな再設計が必要である。本論文では、アルギン酸分解性真核生物である不完全糸状菌Asteromyces cruciatusで、アルギン酸単量体(4-デオキシ-L-エリスロ-5-ヘキソースウロース・ウロン酸;DEHU)の輸送体を発見したことを示す。この輸送体をコードする遺伝子を、必要な細菌性アルギン酸異化遺伝子および脱調節した本来のマンニトール異化遺伝子とともにゲノムに組み込んで過剰発現させると、1つの酵母株がDEHUおよびマンニトールを効率的に代謝する能力を獲得した。さらに、この酵母株を嫌気条件下でマンニトールおよびDEHUによって増殖するように改良すると、マンニトールおよびDEHUを使ってエタノール発酵を行えるようになり、力価は4.6%(v/v)(36.2 g l−1)、収率は消費糖からの最大理論収量の83%に達した。今回の結果は、大型褐藻類が持つ全ての主要な糖類が、従来の耕作地由来原料と同じようなやり方で、バイオ燃料および付加価値のある再生可能な化学物質の原料として利用可能であることを示している。

