Letter
宇宙:中性子星の地殻における電子捕獲とβ−崩壊のサイクルによる強いニュートリノ冷却
Nature 505, 7481 doi: 10.1038/nature12757
降着を受けている中性子星の最も外側の1 kmを構成する地殻の温度は、高密度での核反応、ニュートリノ冷却、それに内部からの熱輸送による加熱によって決まっている。加熱された地殻は、降着を受けた外層の熱核爆発などの、より浅い深度で観測される現象に影響を及ぼすと考えられている。本論文では、約150 mの典型的な深さでの中性子過剰核が関与する、電子捕獲とその逆反応であるβ−崩壊のサイクルが、より深い地殻から表面層を熱的に分離する一方で、ニュートリノの放射によって中性子星の外部地殻を冷却することを報告する。この「ウルカ(Urca)」機構は白色矮星とIa型超新星との関連で研究されていたが、これまで中性子星では検討されなかった。その理由は、これまでのモデルでは、ゼロ温度近似を用いて地殻反応を計算し、どの深度でも単一の核種のみが存在すると仮定していたためである。熱の分離は、X線バーストなどの表面現象が、深部の地殻加熱の強度にはほぼ無関係であることを意味する。従って、高エネルギーの熱核スーパーバーストで観測される、数年のオーダーという予想外に短い反復時間は、高温の地殻の指標ではなく、むしろ中性子星表面付近の未知の局所的な加熱機構を示している可能性がある。

