Letter
生態学:リンの制限に適応した植物は有性生殖への投資の低下によって存続が脅かされる
Nature 505, 7481 doi: 10.1038/nature12733
ユーラシアの湿地および草原の植物種の多様性は、生産力だけでなく栄養素の相対的利用可能量にも依存しており、中でも窒素とリンに左右される。本論文では、植物の種の豊富さに対する窒素:リンの化学量論比の影響が、植物の選択された生活史形質、中でも特に成長と繁殖に対する植物の投資によって説明できることを示す。我々はユーラシアの草本植生地599か所で、局地的な栄養条件と群集の平均的な生活史形質との関係を調べた。リンが制限された群集の植物では、窒素が制限された群集の植物に比べて有性生殖への投資が少なく(例えば、種子への投資が少なく、開花期が短く、寿命がより長い)、葉の経済形質が控えめであった(すなわち、比葉面積が小さく、葉の乾燥物質量が多かった)。絶滅が危惧される種は、リンが制限された生態系の方により多く見られ、有性生殖への投資も少なかった。この研究結果は、栄養条件に対する植物の適応が自然生態系内の植物種分布を動かし得る仕組みに関して新たな手がかりをもたらし、また絶滅危惧種の脆弱性を説明することができる。

