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構造生物学:ボツリヌス神経毒素Aによるシナプス小胞タンパク質2C認識の構造的基盤

Nature 505, 7481 doi: 10.1038/nature12732

ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)は、最も危険な生物兵器の1つである。それにもかかわらず、BoNT/Aは、片頭痛のようなありふれた症状やさまざまな眼球運動性障害および運動障害の治療に使用される。BoNT/Aは、おそらく美容用途におけるしわ取り薬剤(商品名はボトックスやディスポートなど)として使用されることで最もよく知られている。BoNT/Aの投与は、SNAP-25(synaptosomal-associated protein 25)の切断によって、神経伝達物質アセチルコリンの放出を阻害し、長期に続く筋肉の弛緩性まひを引き起こす。これまでに2種類のBoNT/A受容体が見つかっており、BoNT/Aの毒性にはその両方が必要であることから、この2つは互いに協同している可能性が高い。つまり、ガングリオシドと、12本の膜貫通ドメインを持つと予想され、輸送体タンパク質と推定されているSV2(synaptic vesicle glycoprotein 2)ファミリーのメンバーは、毒素の受容体結合ドメインと会合する。最近、FGFR3(fibroblast growth factor receptor 3)もまた、BoNT/A受容体の可能性があると報告された。SV2タンパク質では、BoNT/A結合部位は内腔ドメインに位置するが、BoNT/AとSV2の相互作用の分子的な詳細はよく分かっていない。今回我々は、SV2C内腔ドメイン(SV2C-LD)と複合体を形成したBoNT/A受容体結合ドメイン(BoNT/A-RBD)の高分解能結晶構造を決定した。SV2C-LDは、四辺形状の右巻きβへリックスからなり、このヘリックスは、アミロイド構造におけるストランド間相互作用と似た様式で、主に開いたβストランド端での骨格–骨格相互作用によりBoNT/A-RBDと会合している。競合実験により、この複合体の形成を阻害するペプチドが見つかった。今回得られた知見は、新規の抗毒素薬剤の開発や治療特性の改善されたBoNT/A変異体の合理的な設計のための強力な基盤となる。

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