Letter

古気候学:寒冷化した気候における山地浸食の全球スケールでの加速

Nature 504, 7480 doi: 10.1038/nature12877

気候は地球の表面で働く浸食過程に影響を及ぼす。しかし、鮮新世から更新世の北半球の氷河期の開始(約300~200万年前)を含む新生代後期における寒冷化が、全球の浸食速度に及ぼした影響はよく分かっていない。この不確実性は、主に浸食の代理指標として堆積層の記録を用いることに意見の一致が得られていないことと、テクトニクスと気候それぞれの浸食への寄与の分離が難しいことから生まれている。本論文では、世界中から得られた18,000個の岩盤の熱年代測定法による年代をまとめ、公式的な逆解析法を用いて、浸食速度の時空間変動を見積もっている。これにより、最終的に堆積層記録を形成する供給源地域における浸食を数百万年の時間スケールで定量化することができた。山地の浸食速度は、約600万年前から増加し、200万年前から最も急速に増加していることが分かった。浸食速度の増加は全ての緯度で見られるが、氷河による浸食を受けた山岳地帯で最も顕著であり、氷河過程が重要な役割を果たしていることを示している。山地は全球の堆積層生成のかなりの部分を担っているので、この結果は、鮮新世と更新世の時期に寒冷化が強まったこととよく一致する全球スケールでの堆積物フラックスの増大を示唆している。

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