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エピジェネティクス:ゲノムインプリンティングの消去におけるTet1の役割

Nature 504, 7480 doi: 10.1038/nature12805

ゲノムインプリンティングは、対立遺伝子特異的な遺伝子発現システムであり、哺乳類の発生と機能に重要である。ゲノムインプリンティングの分子基盤は、対立遺伝子特異的なDNAメチル化である。de novo DNAメチル基転移酵素Dnmt3aとDnmt3bが、ゲノムインプリンティングを確立させることはよく知られているが、始原生殖細胞(PGC)の再プログラム化中に、メチル化標識が消去される仕組みについては分かっていない。Tet1はten-eleven translocationファミリータンパク質の1つで、5-メチルシトシン(5mC)を酸化することができ、再プログラム化中のPGCに特異的に発現している。本論文では、Tet1がゲノムインプリンティングの消去に非常に重要な働きを持つことを報告する。我々は、Tet1ノックアウト雄と野生型の雌の交配による仔たちが、遺伝子型が同一であるにもかかわらず、胎盤、胎仔期、出産後の発育異常や早期の胎性致死など、さまざまな表現型を示すことを示す。これらの異常のうち、少なくとも一部は、Peg10Peg3などのインプリンティングされた遺伝子の調節異常が原因である。これらの遺伝子では、メチル化可変領域(DMR)の父系側で異所性の過剰メチル化が見られる。RNA-seq法を使って、Tet1機能が父系側で欠失することにより、インプリンティングされた遺伝子が次世代においてさらなる調節異常を示すことが明らかになった。Tet1ノックアウトマウスの13.5日胚PGCと精子の全ゲノムDNAメチル化解析では、精子のインプリンティングされた遺伝子のDMRに過剰なメチル化が見られ、これらはPGCにまでさかのぼることができた。再プログラム化中のPGCでのDNAメチル化動態の解析からは、再プログラム化の後期段階で、インプリンティングされた遺伝子を含め、残存するメチル化の消去にTet1が機能することが明らかになった。さらに我々は、雌の生殖系列細胞で、Tet1が父系インプリンティングの消去に働くことを裏付ける証拠を示す。従ってこの研究は、Tet1がゲノムインプリンティングの消去に非常に重要な機能を持つことを立証する。

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