Letter
免疫:共生細菌由来の酪酸は大腸の制御性T細胞の分化を誘導する
Nature 504, 7480 doi: 10.1038/nature12721
腸の共生細菌は、いくつかのタイプのT細胞の分化と増殖を調節することによって粘膜免疫系を形作っている。共生細菌の優勢な種類の1つであるクロストリジウム綱は、炎症性およびアレルギー性応答の抑制に中心的な役割を持つ制御性T(Treg)細胞を大腸で誘導することができる。しかしながら、共生細菌が大腸のTreg細胞を誘導する分子機構は明らかになっていない。今回我々は、大腸の微生物の発酵産物である酪酸が、マウスで大腸Treg細胞の分化を誘導することを示す。核磁気共鳴を用いたメタボロームの比較解析は、短鎖脂肪酸の管腔内濃度が大腸のTreg細胞数と正の相関を示すことを示唆している。短鎖脂肪酸の中で、酪酸はin vitroおよびin vivoでTreg細胞分化を誘導し、Rag1−/−マウスへのCD4+ CD45RBhi T細胞の養子移入によって誘導される腸炎の発症を軽減した。Treg細胞誘導条件下でナイーブT細胞を酪酸で処理すると、Foxp3遺伝子座のプロモーターおよび保存された非翻訳配列領域のヒストンH3アセチル化が増加し、これは微生物由来の酪酸がTreg細胞の分化を調節する仕組みについて考えられる機構を示唆している。我々の結果は、宿主と共生細菌の間の相互作用が腸で免疫学的恒常性を確立する機構に対して新たな考察をもたらすものだ。

