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構造生物学:高分解能のXist結合マップで明らかになったX染色体不活性化における二段階のXist拡散

Nature 504, 7480 doi: 10.1038/nature12719

長鎖非コードRNA(lncRNA)であるXistは、哺乳類で雌雄の性染色体数の差異を補償するX染色体不活性化(XCI)の過程に極めて重要である。XCIに際して、Xistは不活性となるX染色体(Xi)を覆い、PRC2(Polycomb repressive complex 2)をX不活性化中心(Xic)へと誘導する。Xistがサイレンシングを150メガ塩基というスケールで拡散させる仕組みについてはよく分かっていない。本研究ではCHART-seq法を用いて、発生の時間経過につれて起こるX染色体上のXist結合についての高分解能マップを作成した。de novoでXCIを受けた雌細胞では、Xistは二段階からなる機構に従い、初めは遺伝子密度の高い領域群を標的とし、その後、遺伝子密度の低い領域へ割り込むように拡散する。XistはXCIを免れる遺伝子では大幅に減少しているが、そうした遺伝子(escapee)の境界付近に集積している可能性がある。Xistの結合は、PRC2の密度やH3リシン27のトリメチル化(H3K27me3)と直線的な比例線形関係にあることから、XistとPRC2が一緒に移動することが示唆される。興味深いことに、XCI後の細胞でXistをXiから急性除去すると、Xistは数日ではなく数時間の時間スケールで速やかに遺伝子密度の高い領域内と低い領域内の両方に復帰するため、Xiのクロマチン状態は既に確立されていたと考えられる。我々は、Xistの拡散は複数の段階特異的な形式で起こると結論する。最初の確立期には、Xistは二段階からなる機構を経るが、維持期では、Xistは遺伝子密度の高い領域と低い領域の両方に急速に拡散する。

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