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有機化学:ベンザインへの協奏的二重水素原子転移によるアルカン不飽和化

Nature 501, 7468 doi: 10.1038/nature12492

アルカンから2個の隣り合った水素原子を除去してアルケンを合成することは、合成化学の課題である。自然界では、デサチュラーゼやアセチレナーゼがこの重要な酸化的官能基付与反応を巧みに行い、その例は、不飽和脂肪酸、エイコサノイド、ジベレリン、カロテノイドの生合成時に見られる。アルカンからアルケンへの変換はたいていの場合、多段階反応経路をとり、1つ以上の化学中間体を伴う。これらは、単離可能な種(アルコールやハロゲン化アルキルなど)の場合もあるし、反応性中間体(カルボカチオン、アルキルラジカル、σ-アルキル金属種など)の場合もある。今回我々は、独特な機構をとる、非活性化単純アルカンの不飽和化反応を報告する。我々は、ベンザインが炭化水素から2個の隣り合う水素原子を協奏的に引き抜く能力を持つことを示す。この正味の発熱性酸化還元プロセスを発見できたのは、トリイン基質を加熱するだけで、ヘキサデヒドロ・ディールス・アルダー環化異性化反応により反応性ベンザイン中間体が生成したからである。我々の知るかぎり、飽和アルカンから2個の水素原子が同時に転移する1段階2分子反応は初めてである。計算による研究から、アルカンドナー中で隣接するC–H結合が重なり合う配置が望ましいことが示された。

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