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構造生物学:ABC型毒素のBC成分は、RHS反復配列含有タンパク質の収納装置である

Nature 501, 7468 doi: 10.1038/nature12465

ある種の細菌が産生するABC型毒素複合体は、強力な殺虫活性を持ち、またヒト疾患に関わっている可能性もあることから、関心を集めている。このような複合体は、A、B、Cという少なくとも3つのタンパク質からなり、十分な毒性を示すにはこれらが集合する必要がある。主な細胞傷害性成分はCタンパク質のカルボキシ末端領域だが、これは種々の毒素複合体の間でほとんど保存されていない。一般的な作用機構モデルとして考えられているのは、昆虫細胞と哺乳類細胞のどちらでも毒素複合体はAタンパク質を介して細胞表面に結合し、エンドサイトーシスによって取り込まれ、その後pHに依存するチャネル形成によってCタンパク質が細胞質に移行し、そこで細胞骨格の破壊を引き起こすというものである。毒素複合体は単粒子電子顕微鏡を使って可視化されているが、各成分の高分解能での構造は得られておらず、Bタンパク質が毒性に果たす役割は明らかになっていない。今回我々は、Bタンパク質とCタンパク質とで形成された複合体の三次元構造を、X線結晶学の手法により2.5Åの分解能で決定した。これらのタンパク質は集合して内部に大きな空間のある前例のない構造を作り、これが卵の殻のような働きをして、細胞傷害性を持つCタンパク質C末端領域を包み込んで隔離する。この殻の一端にはβプロペラドメインがあり、天然の複合体では、これを介してB–Cヘテロ二量体とAタンパク質が結合している。この構造から、折りたたまれてBタンパク質と複合体を形成するときに、Cタンパク質が自己分解する仕組みが明らかになる。Cタンパク質は、組換えホットスポット(rearrangement hotspot;RHS)反復配列を含む構造の、我々の知るかぎりで初めての例であり、ABC型毒素という広く存在する細菌タンパク質ファミリーと、それに近縁の真核生物チロシン-アスパラギン酸(YD)反復配列含有タンパク質ファミリー(テニューリンが含まれる)の両方で保存されている可能性のある、顕著な特徴的構造の実例となっている。この構造は、このような反復配列含有タンパク質ファミリーの機能に関する初めての手がかりとなり、タンパク質を包み込んで送達するための一般的な機構の1つを示唆している。

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