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遺伝:生殖細胞系列のミトコンドリアDNAの変異は老化を促進し、脳発生を障害し得る
Nature 501, 7467 doi: 10.1038/nature12474
老化はさまざまな種類の損傷の蓄積によって起こり、ミトコンドリアの機能障害はこの過程に重要だと長い間考えられてきた。哺乳類のミトコンドリアDNA(mtDNA)には相当な数の塩基配列変化がみられるが、この変異率の高さはさまざまな機構によって減殺されており、このため変異型mtDNAの母系伝達が少なくなっている。これらの保護機構にもかかわらず、低レベルのmtDNAのヘテロプラスミーがかなり広く見られ、ヒトでしばしば遺伝していることが、次第に明らかになってきている。我々は以前に、一連のマウス変異体を作製し、mtDNA変異の遺伝がどの程度老化に影響し得るかを調べた。本研究では、母系伝達されたmtDNA変異が、野生型の核ゲノムを持つマウスで、軽度の老化表現型を誘導し得ることを報告する。さらに、母系伝達されたmtDNA変異は、mtDNA突然変異誘発対立遺伝子がヘテロ接合(PolgAwt/mut)である場合、マウスの妊性低下の表現促進を引き起こし、ホモ接合(PolgAmut/mut)のマウスでは、早期老化の表現型を増悪する。意外にも、母系伝達されたmtDNA変異と体細胞mtDNA変異が組み合わさることは、確率論的に脳奇形も引き起こす。以上の結果は、既存変異の荷重が、体細胞変異の誘発を可能にして、決定的に高いmtDNA変異の総荷重をより早く作り出すだけでなく、mtDNA変異のクローン増殖も増加させて、老化組織で普通に起こっているモザイク状の呼吸鎖異常を促進することを示す。今回の結果は、母系伝達されたmtDNA変異がヒトの正常老化の促進においても、同様の役割を持つ可能性を示唆する。

