地球:地球マントルの非コンドライト的な硫黄同位体組成
Nature 501, 7466 doi: 10.1038/nature12490
核とマントルの分離は、成長する惑星がその初期に経験する最大の事象である。地球核の分離は、タングステン、コバルト、硫黄などの親鉄元素を捕捉することによって、残ったマントルの組成に痕跡を残した。宇宙化学的な制約条件から、地球の硫黄の約97%は現在核の中に存在しているはずであることが示唆され、このことは、関係する金属とケイ酸塩の分配係数と、分別された親鉄元素の存在度に基づいて、残ったケイ酸塩マントルは分別された34S/32S比を示すはずであることを意味している。しかし、地球のマントルは一様であり、34S/32S比はコンドライト的で、多くの親鉄元素と同様に、キャニオン・ディアブロ隕石のトロイリ鉱に似ていると長い間考えられてきた。 この考えは、後期に集積したコンドライト組成を持つ物質によって支配されるマントルの硫黄収支と矛盾しない。本論文では、南大西洋海嶺で得られた大洋中央海嶺玄武岩試料から、マントルが不均一な34S/32S比を示し、ストロンチウム同位体比87Sr/86Srおよびネオジム同位体比143Nd/144Ndと直接相関があることを明らかにする。こうした同位体の傾向は、34S/32S比が低い周辺のマントルと、34S/32S比が高い、沈み込んだ堆積物であると推測される再循環成分の間で二成分混合が起きたことと一致する。枯渇した端成分は、δ34Sが−1.28±0.33‰というかなり大きな負の値を持つという特徴があり、表面(大陸、変成した海洋地殻、堆積物、海洋)の硫黄を加えてもコンドライト的な値に達することは不可能である。ケイ酸塩地球がこのような非コンドライト的な34S/32S比を持つことは、核がコンドライト(δ34S = +0.07‰)よりもやや高い34S/32S比を持つという核マントル分離の記録によって説明できる可能性がある。核形成後のレイトベニアにより親鉄元素が(従って硫黄も)加わった証拠があるにもかかわらず、今回の結果はマントルの硫黄収支は核マントル分離のフィンガープリントを保持していることを示唆している。

