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構造生物学:重要なシャペロンであるFACTによるヒストンH2A–H2B認識の構造基盤

Nature 499, 7456 doi: 10.1038/nature12242

FACT(facilitates chromatin transcription)は保存されたヒストンシャペロンで、DNAの転写、複製や修復の際にヌクレオソームを再編成し、クロマチンの完全性を確保する。FACTの幅広い機能に重要なのはそのヒストンH2A–H2Bの認識である。しかし、ヒストンH2A–H2Bの認識が行われる仕組みや、それがヒストンH3–H4やその他の核因子の認識などのFACTのこれ以外の機能と統合される仕組みはよくわかっていない。今回我々は、Chaetomium thermophilum由来のFACTの、進化的に保存されたシャペロンドメインSpt16Mの、H2A–H2Bヘテロ二量体と複合体を形成した状態の結晶構造を明らかにする。Rtt106様モジュールを足場とする新規な「Uターン」モチーフは、H2Bのα1へリックスを取り巻いている。生化学的解析とin vivo解析により構造の妥当性が実証され、ヒストン尾部およびH3–H4のSpt16M結合への関わりが詳細に調べられた。これに加えて、FACTと複製ポリメラーゼを結合するFACTヘテロ二量体化ドメインの構造も調べられた。我々の結果は、Spt16Mとヒストンの間に複数の相互作用があることを示しており、それによってモジュールがヌクレオソームに徐々に侵入し、H2BのDNAとの最も強い相互作用が遮断されると考えられる。FACTは、これによってヌクレオソームヒストンとDNAの接触部分の最初の30塩基対を再編成することで、「ヌクレオソームのゆらぎ(breathing)」を増強している。シャペロンのH2A–H2Bへの結合状態について今回得られた構造と、全ての球状FACTドメインの構造から、FACTの重要なシャペロン機能の高分解能解析が可能となり、この複合体がヌクレオソームの再編成に必要な酵素の活性化を促進する仕組みについての手がかりが得られる。

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