Letter

医学:EndMTは脳海綿状血管腫の開始と進行に関与する

Nature 498, 7455 doi: 10.1038/nature12207

脳海綿状血管腫(CCM)は、おおむね脳内に限局される血管異形成症で、ヒト集団の最大0.5%に見られる。CCMの病変部は拡張した不規則な血管によって形成され、脳出血の原因となることが多い。CCMは、3個の遺伝子、すなわちCCM1(別名KRIT1)、CCM2OSM)およびCCM3PDCD10)のうち1個の機能喪失変異によって引き起こされ、散発性および家族性の両型が認められる。最近の研究で、CCMにおける血管の異形成および脆弱性の原因が調べられたが、この3個の遺伝子からなる複合体のin vivoでの機能は解明されていない。マウスで出生後に、この3個のCcm遺伝子のいずれかを内皮で欠失させると、ヒトCCMの病変に著しく類似した、多発性の脳血管奇形を特徴とする重度の表現型が生じる。内皮間葉転換(EndMT)は異なる複数の病状で報告されており、内皮による間葉系および幹細胞様の特徴の獲得として定義されている。本論文では、マウスにおけるCcm1遺伝子の内皮特異的破壊がEndMTを引き起こし、それが血管奇形の発生に寄与することを示す。CCM1を除去した内皮細胞でのEndMTは、内因性BMP6の発現上昇と、それに続くトランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)および骨形成タンパク質(BMP)シグナル伝達経路の活性化によって仲介される。TGF-βおよびBMP経路の阻害剤は、in vitroin vivoの両方でEndMTを防ぎ、CCM1欠損マウスで血管病変の数と大きさを低減させる。したがって、TGF-βおよびBMPシグナル伝達の増強と、その結果として起こるCCM1ヌル内皮細胞のEndMTは、CCM疾患の開始および進行に極めて重要な事象である。これらの研究は、この重度で現在は不治の病状に対する新しい治療機会を提供する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度