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物理:量子ガスのスピンホール効果

Nature 498, 7453 doi: 10.1038/nature12185

電流の流れのような電子特性は一般に、電子のスピン角運動量、すなわち量子粒子が持つ内部自由度には依存しない。スピンホール効果は、40年前に最初に提案されたもので、流れている粒子がスピンに依存する直交方向の力を受ける異常な種類の現象である。この力は、ホール効果を生じる従来型のローレンツ力と似たものだが、2つのスピン状態に対して符号が反対になる。スピンホール効果は、GaAsやInGaAsなどのスピン軌道結合した材料中を流れる電子や、誘電体接合を横切るレーザー光で観測されている。本論文では、量子縮退ボースガスにおいてスピンホール効果を観測し、生じたスピン依存のローレンツ力を使って、低温原子のスピントランジスターを実現した。我々の量子ガスに対して空間的に不均一なスピン軌道結合場を設計し、それに必要なスピン依存のローレンツ力を明確に導入、測定して、ローレンツ力が我々の計算結果と極めて良く一致することを見いだした。この「アトムトロニック(atomtronic)」トランジスターは、速度に反応しないある種の断熱スピンセレクターとしてふるまい、磁気センサーや慣性センサーなどのデバイスに応用できる可能性がある。また、スピンホール効果を生成、測定するこのような方法は、量子ガスにおいてトポロジカル絶縁体を設計し、それらに伴う量子化スピンホール効果を検出するときの明瞭な必要条件である。ここで実現したように、我々の系は、典型的な半導体スピントロニクスデバイスであるDatta–Dasスピントランジスターのレーザー動作版を実現するものである。

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