遺伝:自己免疫疾患関連遺伝子座のコード領域における希少変異は失われた遺伝率に対して無視し得るほどの影響しか与えない
Nature 498, 7453 doi: 10.1038/nature12170
全ゲノム関連解析(GWAS)により、一般的な自己免疫疾患に関わる数百の遺伝子座で中程度の影響を持つ一般的な変異が見つかったが、希少変異が関与する可能性のある遺伝率のかなりの部分については、まだ説明が付いていない。希少変異を探索して表現型との関連を調べる研究では、小規模な初期サンプルをリシーケンス解析してから、見つかった変異についてもっと大規模なサンプルセットで遺伝子型を決定することが多い。この方法では、全サンプルセットに存在する希少変異の大半を解析できない。本研究では、6種類の自己免疫疾患表現型を示す被験者24,892人と対照群17,019人、合わせて41,911人の英国在住欧州系白人における25個のGWASリスク遺伝子のコーディングエキソンを対象として、同時アンプリコン(単位複製配列)塩基配列解読法に基づき変異探索と遺伝子型決定を行った。その結果、既知の遺伝子座におけるコード領域の希少変異は、一般的な自己免疫疾患のかかりやすさに対して無視し得るほどの役割しか持たないことが明らかになった。これらの結果は、希少変異の合成による全ゲノム関連(rare-variant synthetic genome-wide-association)仮説を支持しない(この仮説では、まだ見つかっていない希少な偶然の変異が、一般的タグ変異で検出される関連につながるとする)。既知の自己免疫疾患リスク遺伝子座は、独立に関連する一般的で低頻度の変異を複数含んでいることが多いので、これらの遺伝子座にある遺伝子は、コード領域の希少変異を持っている候補として、他の遺伝子よりも強力であると推測される。我々のデータは、一般的な自己免疫疾患の失われた遺伝率は、対立遺伝子スペクトルのうちコード領域の希少変異部分に起因しない可能性を示しているが、他の研究者が提唱しているように、弱い影響を持つ多くの一般変異遺伝子座がもたらす結果であるのかもしれない。

