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細胞:幹細胞の分裂の際に染色体特異的に見られる非ランダムな姉妹染色分体分離
Nature 498, 7453 doi: 10.1038/nature12106
成体幹細胞は非対称的に細胞分裂して自己複製を行いながら、成熟組織を構成する分化細胞を生じる。非対称に分裂する幹細胞では、姉妹染色分体同士が区別されるらしく、非ランダムな分離が見られるが、その基盤となる仕組みやその目的は解明されていない。今回我々は、単一染色体レベルの分解能が得られるCO-FISH(染色体配向蛍光in situハイブリダイゼーション)法を開発し、ショウジョウバエの雄の生殖系列幹細胞が非対称に分裂する際には、X染色体、Y染色体の姉妹染色分体は、常染色体とは異なり、非ランダム分離することを明らかにした。これは、非対称な幹細胞分裂では、同一の遺伝情報を含む2本の姉妹染色分体が区別されて非ランダムに分離することを示す、我々の知る限りで初めての直接的証拠である。さらに、非ランダムな姉妹染色分体分離には、中心体、核膜タンパク質SUN–KASH、Dnmt2(別名Mt2)が必要なこともわかった。これらのデータは、X染色体、Y染色体上にあって非ランダムな分離を可能にする情報が両親での配偶子形成の間に準備されていることを示している。さらに、生殖系列幹細胞の過剰増殖や脱分化した生殖系列幹細胞では、姉妹染色分体の分離がランダムになることもわかった。姉妹染色分体の非ランダムな分離は、2本の姉妹染色分体が持つ異なった情報を非対称分裂する幹細胞から娘細胞へと伝達するための方法なのかもしれないと、我々は考えている。

