Letter

行動生態学:収穫アリコロニーで見られる集団制御による採餌活動の抑制がもたらす報酬

Nature 498, 7452 doi: 10.1038/nature12137

局所的な相互作用から生じる集団行動によって、集団は、変化していく条件に応答することができる。長期的な研究によって、哺乳類や鳥類の個体の形質がその繁殖成功度に関連することは明らかになっているが、自然個体群における集団行動の進化生態学についてはほとんどわかっていない。アリのコロニーは中央制御なしに働いており、その活動は局所的な相互作用を介して制御されている。本論文では、アカシュウカクアリ(Pogonomyrmex barbatus)コロニー間での条件変化に対する集団応答の違いが、子孫コロニー産生という点でのコロニーの生涯繁殖成功度の違いに関係することを示す。砂漠で採餌活動する収穫アリにとって、乾燥による損失は大きい。繁殖成功度がより高いコロニーでは、乾燥した条件のときには採餌活動が減る傾向があり、湿度がより高い条件下では比較的安定した採餌活動が見られた。採餌活動の抑制は、コロニーの長期的な生存には影響しなかった。すなわち、全く採餌活動ができなくなる日数が多いコロニーも20〜30年にわたって生き残り、コロニー寿命のこの長さはもっと定期的に採餌活動するコロニーと同程度だった。また、採餌活動を減らすべき条件への感受性は、親コロニーから子孫コロニーへと伝達されるらしい。これらの結果は、採餌活動を制御する集団行動は自然選択によって形作られていることを示している。また、収穫アリの生息地における現在の干ばつが今後も持続するなら、気候に関連した選択圧がより強まる可能性があることも示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度