発生:X線位相差in vivo顕微鏡断層撮影法でアフリカツメガエル原腸形成の新たな側面を探る
Nature 497, 7449 doi: 10.1038/nature12116
生物学における実現が念願されている目標の1つは、胚構造の変化をin vivoで1細胞以下のレベルの分解能で画像化し、発生中の細胞の挙動を解明することである。重要な形態形成運動は胚発生全体を通じて起こっているが、特に原腸胚形成期には、劇的で調和のとれた一連の細胞の動きによって、単純な球状の細胞塊あるいはシート状の細胞層から、複雑な多層構造の個体へと再編成が起こる。アフリカツメガエル(Xenopus laevis)やゼブラフィッシュでは、外植や固定胚、また蛍光顕微鏡や核磁気共鳴顕微鏡によるin vivo画像化を用いて、細胞や組織の動きの研究が行われてきた。これらのどの方法でも、発生の全期間を通じて、光学的に不透明な生きた胚全体にわたる細胞の挙動をマイクロメートルレベルの分解能で観察することはできない。本研究では、単一距離の位相差に基づく非侵襲的なin vivo微速度X線微小断層撮影法と、動作解析を組み合わせて用い、胚発生の過程を観察した。この強力な四次元画像化技術により、野生型アフリカツメガエル胚の原腸胚形成過程、例えば、植物極内胚葉の回転や、原腸形成、原腸と胚胞腔の間にある多孔性の間質性組織内の空洞の容量の変化、内中胚葉の移動と衝突、原口閉鎖などについて、高分解能の画像が得られることを示す。細胞流動の差分解析(differential flow analysis)により、全体的な細胞運動と相対的な細胞運動が切り離され、推進機構が割り当てられる。さらに、デジタル測定した体積バランスから、外部の水を取り込むことで初期の原腸の膨張が起こることが確認できた。また、胞胚腔の上盤で、腹側と頭部の内中胚葉が衝突することで一過的に外胚葉隆起が形成されることがわかった。形態形成の分子的、生体力学的基盤を研究するための摂動実験を組み合わせれば、我々の技術は発生の基本についての理解を進める助けとなるだろう。

