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老化:IKK-β、NF-κBおよびGnRHが関与する、視床下部における全身老化のプログラム化
Nature 497, 7448 doi: 10.1038/nature12143
老化は全身で起こる緩やかで全般的な機能低下の結果であるが、主として単一の組織がこうした老化の進行に関与して寿命を制御しているのかどうかはわかっていない。本研究では、マウスにおける全身の老化の進行に視床下部が重要であることや、その基盤には、IκBキナーゼβ、NF-κB(nuclear factor κB)、および関連するミクログリア–ニューロン間免疫クロストークによって仲介される視床下部の免疫が関与していることを示す。遺伝学的操作モデルをいくつか開発し、マウスの視床下部や脳において老化に関連したIKK-βやNF-κBの活性化を妨げることで、老化を遅らせて寿命を延長できることが明らかになった。さらに機構に関する研究によって、IKK-βやNF-κBが性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)を抑制して、老化に関連した視床下部GnRHの低下を引き起こすことや、GnRHを投与すると、老化で減少した神経新生が回復し、老化が減速することも明らかになった。結論として、視床下部は免疫と神経内分泌を統合することで老化進行をプログラムする役割を果たしており、視床下部/脳における免疫の抑制とGnRHの回復は、寿命の最適化や老化関連の健康問題に取り組むための2通りの候補戦略となる。

