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構造生物学:細菌のエネルギー共役因子輸送体の構造
Nature 497, 7448 doi: 10.1038/nature12045
エネルギー共役因子(ECF)輸送体は、原核生物の保存された膜輸送体の新しいファミリーを構成しており、ATP結合カセット輸送体とよく似たドメイン構成を持つ。各ECF輸送体は、一対の細胞質ATPアーゼ(AおよびA′成分、EcfAおよびEcfA′とも呼ばれる)、膜に埋め込まれた基質結合タンパク質(S成分、別名EcfS)1個、EcfA–EcfA′サブ複合体をEcfSとつなぐ膜貫通型エネルギー共役成分(T成分、別名EcfT)1個で構成されている。この4成分からなるECF輸送体の構造と輸送機構は、ほとんど解明されていない。今回我々は、乳酸菌の一種Lactobacillus brevis由来のECF輸送体について、ヌクレオチドを持たない状態の分解能3.5 Åでの結晶構造を報告する。T成分はU字形の開いた構造をとり、膜貫通セグメントとして5本のαヘリックスを、A、A′成分へとつながる共役モジュールとして2本の細胞質αヘリックスを持つ。S成分はヒドロキシメチルピリミジンに特異的だと思われるが、意外なことに脂質膜に沿って水平に配置されていて、T成分の5本の膜貫通セグメントと2本の細胞質ヘリックスとだけ結合している。構造のこのような特徴から、ECF輸送体の輸送サイクルの説得力ある作用機構モデルが考えられる。

