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構造生物学:MATE多剤排出輸送体による薬剤排出機構の構造基盤
Nature 496, 7444 doi: 10.1038/nature12014
MATE(multidrug and toxic compound extrusion;多剤・毒性化合物排出)ファミリー輸送体は、古細菌、細菌、真核生物という生命の主要な三界で保存されており、膜を介するH+やNa+の電気化学勾配を利用して生体異物を排出する。MATE輸送体は、病原性細菌やがん細胞へ多剤耐性を付与しており、したがって抗生物質と抗がん剤のそれぞれが持つ治療効果を非常に大きく低減させる。そのため、MATE阻害剤の開発は、臨床医学の領域で長く待ち望まれてきた。今回我々は、偏性嫌気性超好熱古細菌であるPyrococcus furiosus由来のH+駆動MATE輸送体について、2つの異なるアポ型構造、抗菌薬ノルフロキサシン誘導体およびin vitroでスクリーニングされた3つのチオエーテル大環状ペプチドとの複合体の、2.1〜3.0 Å分解能での結晶構造を示す。これらの構造に機能解析を組み合わせることで、アミノ(N)末端-ローブ上のAsp41のプロトン化が、TM1の折れ曲がりを引き起こし、その結果N-ローブの空洞が壊れて、基質薬剤が細胞外空間へと排出されることが明らかになった。さらに、大環状ペプチドは、中央の割れ目に異なる様式で結合しており、その結合様式と阻害活性とは相関している。N-ローブの空洞を占める最も強力な阻害ペプチドは、MATE輸送体に対する効果的な阻害剤開発への道を開く可能性がある。

