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医学:グルタミンはKRASが調節する代謝経路を介して膵臓がんの増殖を助ける

Nature 496, 7443 doi: 10.1038/nature12040

がん細胞は代謝依存性を持ち、それが正常細胞との相違点となっている。これらの依存性の1つとして、アミノ酸であるグルタミンの利用の増加による同化作用の促進がある。実際、グルタミン依存性腫瘍の範囲およびグルタミンががんの代謝を助ける機構は活発に研究が行われている分野である。今回我々は、ヒトの膵管腺がん(PDAC)細胞において、腫瘍増殖に必要とされる非典型的なグルタミン利用経路を同定したことを報告する。ほとんどの細胞は、ミトコンドリアでグルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GLUD1)を使って、グルタミン由来のグルタミン酸をα-ケトグルタル酸に変換し、トリカルボン酸回路を動かしているが、PDACは違う経路に依存し、グルタミン由来のアスパラギン酸を細胞質に輸送して、アスパラギン酸トランスアミナーゼ(GOT1)によりオキサロ酢酸に変換している。その後、このオキサロ酢酸はリンゴ酸、続いてピルビン酸へと変換され、見かけ上NADPH/NADP+比を上昇させ、それによって細胞の酸化還元状態が維持されている可能性がある。重要なのは、PDAC細胞はこの一連の反応に強く依存しており、グルタミンを欠乏させたり、この経路のいずれかの酵素を遺伝的に抑制したりすると、活性酸素種の増加および還元型グルタチオンの減少が起こることである。また、この一連の反応を構成するどの酵素をノックダウンしても、in vitroでもin vivoでも、PDACの増殖が顕著に抑制される。さらに、グルタミン代謝の再プログラム化は、PDACに特徴的な遺伝子変化である発がん性KRASを介して、この経路の主要な代謝酵素の転写の上方制御および抑制により起こることを明らかにする。PDACではこの経路が必須であること、そして正常細胞ではこれが必要ではないという事実は、これらの難治性腫瘍に対する新たな治療方法の開発につながるかもしれない。

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