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気候:低層の水雲により増加した2012年7月のグリーンランドの融解量

Nature 496, 7443 doi: 10.1038/nature12002

世界の主要な氷床の融解は、海水準の上昇に寄与することによって、ヒトの状態や環境条件に影響を及ぼす可能性がある。2012年7月に、グリーンランドの氷床のほぼ全域にわたって表面が広範囲に融解するという歴史的にまれな期間が観測され、そのような事象の頻度と空間的な範囲について問題が提起された。本論文では、液体の水滴からなる低層雲(「水雲」)が、その放射効果を通して地表付近の気温を上昇させ、この融解事象において重要な役割を果たしたことを示す。我々は、一連の地表における観測結果、リモートセンシングデータ、地表面のエネルギー収支モデルを用いた。表面が融解した重要な時期に、地表への下向きの赤外線フラックスを増強するのに十分なほど、雲は光学的に厚く、低かった。この雲は同時に、十分な量の太陽放射が透過して表面温度を融点より上に上げるのに十分なほど光学的に薄かった。雲の光学的厚さがこの狭い範囲から外れていれば、表面のエネルギー収支への放射の寄与は小さくなり、この融解事象の空間的な広がりはもっと小さかったと考えられる。さらに我々は、こうした薄く高度の低い水雲は、グリーンランドや北極全域の上空で頻繁に発生し、この期間の約30〜50%で見られることを示す。特に、温暖化した北極の気候におけるさまざまな温度フィードバックを十分に説明するのに必要となる可能性がある過程である、過冷却温度での光学的に薄い液体雲の形成を、モデルが過小評価しがちであるため、今回の結果は、北極の地表面エネルギー収支をシミュレートするのが全球気候モデルには困難であることを説明するのに役立つ可能性がある。

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