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遺伝学:複製と転写の衝突により加速される遺伝子進化

Nature 495, 7442 doi: 10.1038/nature11989

ゲノム全体での突然変異発生率を増加させる機構はいくつか見つかっているが、進化速度が個々の遺伝子で促進される仕組みは不明である。細菌のほとんどの遺伝子は、複製におけるリーディング鎖にコードされている。これによっておそらく、遺伝子がラギング鎖にコードされていた場合に、複製装置と転写装置の間で起こりうる有害な正面衝突が回避されていると考えられる。本研究では、枯草菌(Bacillus subtilis)で広く見られる(コア)遺伝子群を同定し、それらの17%がラギング鎖にあることを明らかにする。ラギング鎖にコードされたコア遺伝子は、リーディング鎖のコア遺伝子に比べて点突然変異率が高く、その差は主にアミノ酸置換(非同義置換)変異によるものであった。全体として、アミノ酸置換変異に対して強い負の選択がなされる遺伝子は、複製と同方向のリーディング鎖にコードされている傾向があった。対照的に、収束変異速度に基づくと、アミノ酸置換変化に対して正の選択がなされる遺伝子は、ラギング鎖により多く見られ、複製方向と正面から向かい合う多くの遺伝子が、より速く適応進化することが示された。遺伝子長と遺伝子発現量の増加は、複製と反対方向の遺伝子における非同義置換変異の蓄積速度と正の相関を示し、複製と転写の間の衝突が、これらの変異の背後にある駆動力となっている可能性が示唆される。実際、復帰変異解析により、これらの2つの方向の遺伝子の突然変異率の違いが、転写に依存していることが示された。以上より、今回の知見は、複製–転写間の正面衝突が同方向の衝突よりも変異を起こしやすく、これらの衝突がコードされたタンパク質の適応構造変異を著しく増加させることを示唆している。細菌、そしておそらく他の生物でも、方向性に依存したDNA複製と転写の間での衝突を介して、特定の遺伝子の進化速度が速められていると我々は考える。

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