Letter

進化:保存された卵胞の化石から明らかになった鳥類繁殖行動の初期進化

Nature 495, 7442 doi: 10.1038/nature11985

主竜類のうちワニ類と鳥類の2群は、恐竜の繁殖行動を解明するうえで有用な現生系統区分である。恐竜の繁殖行動は、保存された巣や卵、さらには体内に卵を持った個体から推測されている。データから、「鳥類」形質の多くがすでに原鳥類(Paraves;鳥類およびその近縁群を含む分岐群)に存在していたことや、現生鳥類の繁殖様式の初期進化がすでに着々と進行していたことがわかっている。非鳥類型マニラプトル類は現生の新鳥類と同じく、殻の微細構造が複雑な非対称形の卵を毎日産み、自分の産んだ複数の卵を守っていたことが知られている。しかし、非鳥類型マニラプトル類はワニ類と同様に、機能性の卵管を2本有し(現生鳥類は1本)、卵は比較的小さく、現生鳥類のように卵を回転させることはなかったと考えられている。本論文では、化石化した成熟状態もしくは成熟状態に近い卵胞を初めて発見したことを報告し、恐竜の繁殖においてこれまで発見例のなかった「繁殖活動期にある排卵間近の雌」という段階を示す。これらの卵胞化石は、白亜紀前期の湖成層の熱河生物相(中国東北部)で見つかった、骨のある長い尾を持つJeholornisの化石標本1体とエナンティオルニス類鳥類2体の内部に保存されていたものであり、原始的鳥類には機能する卵巣が1つだけであったが、現生鳥類と比べて代謝速度が低かったために原始的形態を保持していたことを示している。これらはまた、原始的鳥類が、ワニ類および原鳥類恐竜のように、骨格が成熟する前に性的成熟に達していたことも示唆している。Jeholornisとエナンティオルニス類の卵胞の形態の差異は、原鳥類恐竜の繁殖状態から新鳥類の繁殖状態へ向かう進化的勾配を形成するものだと解釈される。さらに、2体のエナンティオルニス類の間に見られる差異は、この系統も新鳥類系統と並行して高度な繁殖形質を進化させた可能性があることを示している。

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