地球:東太平洋海膨北部下にある受動的なマントル上昇流の電気的画像
Nature 495, 7442 doi: 10.1038/nature11932
マントル上昇流により生成されたメルトは、大洋中央海嶺における新たな海洋地殻の形成に不可欠であるが、この過程を制御している力については議論が続いている。受動的な流れモデルでは、発散するテクトニック・プレートからの粘性牽引力による対称的な上昇流が予測されるが、マントルの異常な圧力と温度勾配を示唆する非対称上昇流の地球物理学的観測と、集中した対流が浮力によって発生する能動的モデルと一致する、集中した上昇流中心の観測から、疑問が投げかけられている。我々は、高速で拡大する東太平洋海膨北部で行われた海底地磁気地電流探査を用いて、マントル電気的構造を深さ約160 kmまで画像化した。このデータは、深さ20〜90 kmにある、対称的で電気伝導度の高い領域を明らかにしており、これは受動的なマントル上昇流の部分溶融と一致する。電気伝導度の高い部分溶融した三角形の領域は受動的な流れの予測と一致し、海嶺へのメルトの集中が、熱的なリソスフェアの浅い底ではなく空隙のある融解した領域で起きていることを示唆している。海嶺の東の100 km以上の深さで見られる深部の電気伝導体は、近傍の2つのトランスフォーム断層を跨いだ粘性結合による非対称な上昇流により説明される。電気伝導度の著しい異方性は海嶺軸東部の最浅部マントルでのみ生じており、深さ10〜20 kmでの鉛直方向の高い電気伝導度は局所的な空隙のある流路を示している。このことは、同時に見られる地震波速度異常が、軸から離れた深部の上昇流ではなく、浅部のマグマ輸送の流路の証拠であることを示唆している。マントルのこのような電気的構造は、海嶺のこの部分ではプレートが駆動する受動的な上昇流が支配的であり、力学的な力は無視できることを示す証拠であると、我々は解釈している。

