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細胞:接合領域の卵巣表層上皮はがんになりやすい幹細胞ニッチを含む
Nature 495, 7440 doi: 10.1038/nature11979
上皮性卵巣がん(EOC)は米国の女性のがんによる死亡原因の第5位であるが、その病因はほとんど解明されていない。上皮がんの中には、2種類の上皮間の移行帯に発生することが知られているものもあれば、上皮組織の幹細胞に由来することが示されているものある。排卵過程で破裂、再生する卵巣表層上皮(OSE)の幹細胞ニッチは、まだ詳細な特徴が明らかになっていない。本論文では、マウスの卵巣門領域、すなわちOSE、中皮および管(卵管)上皮の間の移行(あるいは接合)領域が、OSEのこれまでには認識されていなかった幹細胞ニッチであることを明らかにする。卵巣門OSEの細胞は、細胞周期が遅く、幹・前駆細胞マーカーであるALDH1、LGR5、LEF1、CD133およびCK6Bを発現していることがわかった。これらの細胞は、我々の連続的な細胞塊形成実験および長期細胞系譜追跡アッセイによって示されるように、ex vivoおよびin vivoで長期間にわたって幹細胞の特性を示す。がん抑制遺伝子のTrp53およびRb1の不活化後に、卵巣門細胞の形質転換能が増大することは重要である。Trp53およびRb1の経路は、ヒトEOCによく見られる最も侵襲性が高いタイプの高悪性度漿液性腺がんで変化が見られることが多い。我々の研究は、移行帯で悪性形質転換が起こりやすいのは、この領域に幹細胞ニッチが存在するためであるという仮説を実験的に裏付けている。OSEでの幹細胞ニッチの同定は、EOCの病因の解明に重要な意味を持つかもしれない。

