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細胞:造血幹細胞と初期リンパ球前駆細胞は異なる骨髄ニッチを占める

Nature 495, 7440 doi: 10.1038/nature11885

造血幹細胞(HSC)は、ニッチと呼ばれる特殊化された微小環境に存在していると一般的に考えられているが、これまでに報告されているHSCニッチに対する実験操作のほとんどで、さまざまな限定前駆細胞(restricted progenitor;細胞運命を限定された前駆細胞)の機能に影響が見られている。このことから、HSCと限定前駆細胞がそれぞれに異なる特殊化したニッチに存在しているのか、あるいは共通のニッチを共有しているのかという根本的な疑問が浮かび上がる。本研究では、HSCや限定前駆細胞の維持に働くケモカインCXCL12の生理的供給源について評価を行った。Cxcl12遺伝子座にDsRed-Express2を組み入れたCxcl12DsRedノックインマウスの解析により、Cxcl12は血管周囲のストローマ細胞で主に発現し、内皮細胞や骨芽細胞、一部の造血細胞でも、より低いレベルで発現していることがわかった。造血細胞やnestin–cre発現細胞でのCxcl12の条件的欠失は、HSCや限定前駆細胞にはほとんど、あるいは全く影響を与えなかった。内皮細胞でCxcl12を欠失させるとHSCが枯渇したが、骨髄赤血球前駆細胞やリンパ球前駆体は枯渇しなかった。血管周囲ストローマ細胞でCxcl12を欠失させると、HSCと特定の限定前駆細胞が枯渇し、これらの細胞は血中へ流出した。骨芽細胞でCxcl12を欠失させると、特定の初期リンパ球前駆細胞が枯渇したが、HSCや骨髄赤血球前駆細胞は影響を受けず、これらの細胞が血中へ流出することもなかった。したがって、さまざまな幹細胞や前駆細胞は、骨髄においてそれぞれに異なる細胞ニッチに存在している。すなわちHSCは血管周囲ニッチを占有し、初期リンパ球前駆細胞は骨内膜ニッチを占有している。

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