Letter

物理:電子エアリービームの発生

Nature 494, 7437 doi: 10.1038/nature11840

量子力学の枠組には、エアリー関数の形をした独特な粒子波束が存在する。直感とは異なるその性質は、粒子が時間あるいは空間中を伝搬するとき現れる。すなわち、量子確率の波束は分散したり回折されたりしてもその形状を保ち、外部から力をかけなくても放物線形の焦線軌道に沿って伝搬する。波束の重心は直線に沿って伝搬するため、これはニュートンの運動法則とは矛盾しない。ほぼ30年後、加速するエアリービームとして知られるこの波束は光学領域で実現された。その後これは、放物線軌道に沿って伝搬する直交かつ完全なビーム群と、任意の凸形をした軌道に沿って伝搬するビームに一般化された。本論文では、自由電子のエアリービームを実験により生成し、観察した結果を報告する。このような電子エアリービームはナノスケールのホログラムを通った電子が回折して生成された。ホログラムによって電子波動関数の横断面に三次位相変調が与えられた。生成されたビームの最高強度部分は実際に放物線軌道をたどった。我々は、自己修復し、障害物を通過した後にその元の形状を回復する、広がらない電子波動関数を直接観察した。このようなホログラフィによる電子エアリービームの発生手法を用いることで、電子波束に任意の形状や軌道を与えることができるため、光学領域のエアリービームと同様に電子波束を操作できる新たな道が開ける。

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