Letter
宇宙:NGC 4526 における分子ガスの運動に基づくブラックホール質量の計測
Nature 494, 7437 doi: 10.1038/nature11819
銀河バルジに見られる超大質量ブラックホールの質量は、銀河の多数の特性と関連していることから、銀河とブラックホールは共進化している可能性が示唆されている。ブラックホールの質量が確実に計測された数は少なく、それらを計測する方法の数は限られているので、この共進化を明らかにする試みははかどっていない。ブラックホール質量の直接的な計測は、今のところ、早期型銀河では恒星の運動、いくつかの渦巻銀河や早期型銀河ではイオン化したガスの運動を用いて可能であり、さらに中心部からメーザー放射しているまれな天体でも可能である。本論文では、ブラックホールが分子ガスの運動に及ぼす影響のモデル化により、干渉計によるCO放射の観測を合わせ込んでブラックホール質量を精確に推測できることを報告する。我々は、早期型銀河 NGC 4526 におけるガスの力学を調べ、太陽の4.5 + 4.2−3.1×108倍(3σの信頼限界)の質量を持つ暗黒天体が中心部に必要であるとする最良適合値を得た。こうした観測結果は、次世代のミリメートル波長の干渉計を用いれば5時間未満の観測時間で、75メガパーセクまで遠方の銀河で再現できる可能性がある。運動学的なトレーサーとして分子ガスを使えば、近傍宇宙における多数の銀河のブラックホール質量を、現在活用できる技術を使った場合よりもずっと多く推定することができると考えられる。

